「ゼロ!」熊本市動物愛護センター10年の闘い

2012.11.21ゼロ!

ちょっと前に王様が私にって買ってきてくれた本
片野ゆか「ゼロ!」。犬の殺処分、ほぼゼロを実現した「熊本市動物愛護センター」の10年の奮闘の様子を描いたノンフィクション
熊本市が処分ゼロを目指して、すごく頑張って、そして結果を出していることは、ご存知の方も多いと思う。テレビでも何度か取り上げられたから、ご覧になった方もいるのでは
「飼えなくなった」と犬や猫を連れてくる飼い主を説得しているシーンは印象的だった。
さて、どんな風に処分ゼロに近づけたのか?と読み始めたのだけど、のっけから処分のシーンで、思わず涙。犬猫好きには辛いシーン。でも、ここからずっと前向き、壁にぶち当たっても前向き、何度くじけても、また立ち上がる、センターの職員たち
公務員なので、途中、所長が変わったり、獣医師も移動があったりしますが、でも皆で頑張る!頑張る!頑張る
その努力は、もう半端ない
2000年に693頭だった熊本市の犬の処分(猫はこの時はデータナシ)2005年には犬221頭、猫592頭。2010年には犬18頭、猫22頭になっている。またどうしても処分せざるを得ない場合も、ガス室での窒息死でなく、1頭ずつ、獣医師の手で注射をしている。知らない人も多いかもしれないけれど、ガス室での窒息死は全然安楽死じゃない。もがき苦しんで死んでいくのだ。だけど、殆どの自治体ではガス室での処分。安いから。数が多いから。
こうして、処分数を減らすのには本当にさまざまな努力がされていて、持ち込んでくる馬鹿飼い主(失礼)の説得、迷子札をつけさせる運動、ボランティア団体との協力、譲渡数を増やす努力、地域猫運動・・・。本当に涙が出る
ぜひとも、ぜひとも各市町村で熊本市をお手本に、処分数減に取り組んでほしい。
特に千葉県は、毎年処分数ワースト2などの恥ずかしい実態
私は殺処分をゼロにするのは、イギリスやドイツみたいに、大きな保護施設が必要で、多額のお金が必要だと思っていた。
だけど必要なのは箱物じゃなくて、人の努力、あきらめない気持ち
ただ・・・熊本のセンターの職員たちの努力は本当に半端じゃなくて、身を粉にするというのはまさにこういうことって言う感じで。それをすべての自治体の職員に求めるのは無理かもしれない。
そんな事言っちゃうと、後ろ向きかな?でも普通の公務員だもの、みんなに死ぬほど頑張れとは言えない気がするんだよね。
それにはやっぱり、法律の改正や予算の投入が必要なのかも。道は遠い。果てしない。
でも、やっぱり熊本市を目標に、少しでも、今より少しでも殺処分が減りますように。ちなみに平成22年の処分数、全国で犬52000頭、猫153000頭。毎年少しずつ減ってる。いつかゼロに近づきますように。
長文にお付き合い下さってありがとう!
動物愛護に関する話だとつい熱くなっちまうぜ