「無菌病棟より愛をこめて」加納朋子

2012.9.20無菌室より愛をこめて

続けて本の話。
だってのんびりな夏休みだもの。
加納朋子の「無菌病棟より愛をこめて」。この人も好きな作家。ミステリー作家だけど、残酷な殺人などは起こらない「日常の謎」を解いていくのが多い。読後感の良い、穏やかな作品が多く、女性らしい細やかな雰囲気
七人の敵がいる」は今年フジテレビの昼ドラになったので、ご存知の方も多いかも。「七人の敵がいる」は小説は2010年の6月に出版された。しかし、その直後、彼女は白血病であることがわかり、急遽入院治療となる。
その闘病をつづったのがこの「無菌病棟より愛をこめて」。闘病記って普通読んでいて楽しくはないでしょう?だけどね、これは面白いの。楽しい。でも、でも、とても辛い。読んでいるのが辛い。せつな過ぎる。作家の性なのか、とても細かく記録されていて、そして心情表現も豊か。専門的な事から、家族の問題まで事細かく描かれている。さらに、作家魂というか、読者を楽しませようと考えたのかどうかはわからないけど、ユーモアにあふれてて、笑わせるところも沢山。でも、それが余計に闘病がどれほど壮絶かを語っている気がする
ご主人は同じく作家の貫井徳郎(この人も好きな作家です)。そして、骨髄移植のドナーとなった弟、他に姉と妹、そして父や息子。彼女を支える家族の深い愛情に驚かされる。
幸い、移植は成功するけれど、退院してからも油断はできず大変な日々が待っているらしく。
その後の様子がわからないのだけど、2012年の2月に「七人の敵がいる」のドラマクランクインの時、真琴つばさとツーショットなど撮影してる写真が東海テレビのHPに載ってたのでほっとしたりして。
そして・・・もし自分がなったらと思うと心臓がドキドキする。入院中はもちろん、退院しても多分かなりの間、犬には会えない。自宅で生活しても、抵抗力がないので。どのくらいで、また犬と暮らせるようになるかとかは情報がないので、わからないけれど。そんなことを考えたら気が狂いそう。あ、あと小学生以下の子供もお見舞い不可なんですよ。それも辛いね。
白血病って、原因も不明。彼女は、お酒もタバコもやらず、早起きの規則正しい生活、食生活もヘルシーだったそうです。予防のしようもない感じ。本当に人生はなにが突然起こるかわからない。
今日、家族そろって元気に過ごせたことを感謝して暮らさなければとしみじみ思います。
加納朋子さんの新作、待ってます。応援してます