笠智衆が好きなんです。

2012.7.13好人良日

相変わらず、映画月間につき、「山田洋次監督が選んだ日本の名作100本・喜劇編」を見ました。この日は佐々木孟監督「好人好日 」。出演は笠智衆淡島千景岩下志麻
笠智衆がちょっと偏屈な数学者、娘が岩下志麻という、ほのぼの楽しい喜劇というか家族ドラマというか。笠智衆の偏屈振りが楽しくてかわいいし、岩下志麻の美しいことと言ったら。髪をポニーテールにした時の首の華奢な感じ。あごのラインの清潔感。そして立ち姿の美しさ。最近の若い女優さんにはない美しさです。足のラインもまっすぐですごくきれい。
ところで、私は笠智衆という役者が大好き。好きな俳優ベスト5に入ると思います。初め見たのは「男はつらいよ」の御前様。すでにおじいさんだったので、その時は「しぶい役者だなー」と思ったんだけど、その後小津安二郎の「晩春」や「東京物語」を見てノックアウトされました。
晩春のラストシーンの笠智衆の演技などはもうたまりません。監督からは、「林檎の皮を剥いてから慟哭」という指示だったそうですが、笠智衆泣く演技を拒否。「林檎の皮を剥いてから肩を落とす」という非常に抑えた演技になりました。が、これがもう慟哭よりもずっと胸に響くシーンになってるんです。この映画、3回ぐらい見てるんですが、いや4回かな?20代で見たときはここまで良さがわからなかったんですよね。自分が嫁に行き、そして父を亡くして、年を重ねてから見るたびにしみじみいいなぁと思う映画です。
おっと、「晩春」への熱い思いがついつい長くなりましたが、今回の「好人好日」でのちょっとコミカルな笠智衆も良かったです。
あ、別にね、私枯れ専じゃないんですけども(王様は一応2歳半年下だし)、でも大滝秀治も大好きだったりして(汗)。
妻役の淡島千景もなかなか良かったです。

右が岩下志麻です。