のんびり読書三昧

2009.12.28フリーター家を買う

穏やかな一日。
私は昼間、帰省土産を買いに、デパートへ。王様とアポロはお留守番。普通なら、アポロは留守番で、王様と買い物に行くんだろうけど、今はなるべくアポロに留守番をさせたくない。っていうか、王様のアポロとの時間を奪いたくない
で、私も時間が惜しくて、さくさく買い物を済ませ、家に帰ってのんびり寝室で読書。足元で眠るアポロをなでながらの読書タイムは最高です。
読み始めたらなんだか止まらなくて、読み上げてしまった「フリーター家を買う」有川浩。いやいや、かなり面白かったです。有川浩と言えば、「図書館戦争」「ラブコメな語り口で重いテーマ」「自衛隊オタク」「腐女子な感じ?」(有川浩は女性なのよ)というイメージで、私は好きよ。でも、結構癖があるというか、好き嫌いがはっきり分かれるかもね、って感じの作家です。が、今回の「フリーター家を買う」は、ちょっと今までのイメージとは違う。フリーターだったダメダメ青年が、母親の心の病と向き合って、家族を、自分を立て直していく話なんだけど、テーマの重さは相変わらずで、ずんずん来る。で、人によっては拒否反応を起こすだろうなぁの、甘さと軽さが上手く抑えられてて、かといって、青年らしいリアル感はちゃんと出てる。ああ、この作家ほんとにいろんな引き出し持ってるんだなと感心した。それにしても、心の病気、大変です
でね、食後に新しい本を読み始めた。「悪党」薬丸岳。夜中までかかって読み上げてしまいました。この人は「天使のナイフ」で江戸川乱歩賞を受賞。「天使のナイフ」同様、今度の作品も「犯罪被害者の遺族」を描いている。非常に重いテーマである。ただし、今回のは連作短編。一貫したテーマはあるものの、それぞれは別の事件の被害者の物語になっている。確かに面白いんだけど、よく出来てるんだけど、このテーマは短編にするのは難しいかなという印象を受けた。短編にまとめるにはあまりに重過ぎるのだ。事件の詳細や、被害者遺族の想いや、すべてが短いページ数では語りつくすことが難しい。
でも、面白かったし、次回作にも期待したい。是非、このテーマを追い続けて欲しいと思うのでした。