東京原子核倶楽部

2009.7.2東京原子核倶楽部

船橋演劇鑑賞会。今回も昼に1人で。
今回は「東京原子核倶楽部」という俳優座の演目昭和7年から戦後までの東京本郷の下宿屋「平和館」の物語です。主人公は若き物理学者の友田信一郎。モデルはノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎です。
彼を中心に、同僚の物理学者や、大学生、ダンサー、下宿のご主人やお嬢さんなどが繰り広げる物語です。笑える箇所も随所にありますが、なるほど、と思ったのは、広島に原爆が落ちた時に、物理学者の主人公やその後輩は、まず「興奮した」、亡くなった方たちのことを思ったのは、その後だった。という下りです。それがどんなにひどい殺略兵器だとしても、画期的発明だった場合、学者は興奮を、感動を抑えることが出来ないのでした。そして、研究所の師である西田も(仁科芳雄博士がモデル)軍に「金さえあれば、わが研究室でも原爆の製作が可能」と豪語し、研究を進めていました
天才とはそういうものかもしれません。「人々の役に立つ」とか「地球に優しい」とかそんなことは全く頭になく、あるのはただ探求心のみ。研究欲のみなのでしょう。それでないと、新しい発見は出来ないのかもしれません。それがいいとか悪いとか私には言えませんが、そういう天才がいる一方で、それを虐殺に使う人間、そして平和利用する人間、が両方存在するわけです。平和利用する人間の力が虐殺に使う人間に負けたときには、悪魔の発明と化してしまうわけです。
これからも、科学は進歩し、次々と新しい発見がなされるのでしょうが、自分たちを滅ぼすためにその偉大な発見を使うほど、人間が馬鹿でないことを願わずにいられません
って、すっごくまじめな日記になっちゃった。

お芝居の面白さだけど、面白かったんだけど、今回もちょっと長かったなー。休憩15分を込みで2時間50分だったんだけど、2時間ぐらいがいいな。素人には長すぎます。
個人的には、吠え声しか出てこなかった下宿の飼い犬のガロアに座布団一枚