さんしょう太夫

2008.11.25さんしょう太夫

船橋演劇鑑賞会の日。姉夫婦は夜行くそうだけど、私は昼何もなかったので1人で昼に行ってきました
この日の演目は前進座の「さんしょう太夫」。全く予習なしに、「さんしょう太夫ってあんじゅとづし王ってやつ?えっと森鴎外だっけ?」ってレベルで鑑賞しはじめちゃいました。恥ずかしいことに森鴎外の作品も読んでなかったのです(汗)。
でも、かえって予習なしで良かったかも。「どうなるの?この後どうなるの?」ってどきどきしながら見られました。
「さんしょう太夫」はもともとは語り部によって語り継がれてきた「語り物語」で、中世の頃人の多く集まる寺社の前などで庶民相手に仏の教えを広めるために語られてきました。当時、音楽とともに語られたそうで、今回前進座は、よりその語り物語に近いものを音楽とともに舞台にしたそうです。
従って森鴎外の「山椒太夫」には無い残忍な部分などもあえて演じられています。
なんせ森鴎外の方を読んでないので、何だけども、過酷な使役や、飢え、差別、酷い体罰など真に迫るモノがありました。そして、庶民にわかりやすく「良き行いを勧め、悪しきを諫める勧善懲悪と、信仰すれば助けられる」という教えも表現されていました。
今回は途中に休憩を挟む2時間35分の長い演目だったにもかかわらず全く退屈せず、最初から最後まで引き込まれました。これって、結構珍しいんです。思いがけなく、良い作品を見た感じ。森鴎外の作品の方も読んでみようかと思います。