闇の子供たち

2008.9.12闇の子供たち

朝日新聞のチケットプレゼントで映画のチケットが当たったのでお友達のsachiさんを誘って見に行った。(たまには金払えよ、私)。
何見に行こうかなーと相談したんだけど、見たいと思ってた「ジョディフォスター」も「アンジェリーナジョリー」も「ポニョ」もやってないのだ。流石「シネマックス千葉」。
選択肢は「ハンコック」か「闇の子供たち」。sachiさんは「闇の子供たち」に興味があったけど、怖そうで原作本を買うのも躊躇したと言っている。でも、あらすじを読んだらとっても面白そう。んで「闇の子供たちhttp://www.yami-kodomo.jp/にすることに。
いやぁ。凄い映画でした
ここ最近見た映画の中で、こんなに衝撃的なものは無かったかも。よく、ここまで映像に出来たと、感心します。原作者の梁石日はこの本の映画化は無理だろうと思っていたそう。
舞台は、タイ江口洋介扮する南部は新聞記者のタイ支局勤務。本社からタイで日本人の子供の心臓移植手術が行われると情報があり、取材をすることに。一方、宮崎あおい扮する恵子は日本の大学で福祉を学びタイにボランティアに来る。
南部が知った事実は、心臓移植はタイの生きた子供から心臓を摘出することによって行われると言うこと。何とかその真実を暴こうと、恵子やカメラマンの与田(妻夫木聡)や他のNGO職員と協力していく。
同時に露わになる、児童買春の問題。貧しいタイの家庭から売られた姉妹の悲惨な末路。子供たちは鍵のかけられた牢屋の様な場所に閉じこめられ、呼び出されて客の相手をさせられる。男の子も、女の子も
10歳にも満たない子供が、白人や日本人に買われるシーンは非常にショッキングで、目を覆いたくなる。特に買う側の醜さが強調されていて見る側が疲労する。しかし、それは監督の意図するところだそう。子供達の裸体は極力出さず表現したのだそうだ。
この映画が描いているのは、タイの悲惨な現状だ。だけど、その大元には、少年や少女を買う醜い先進国の大人がいる。勿論日本にも。そして、生きたまま臓器移植のために心臓を摘出される子供達がいる大元には、それと知っていて大金を払い、非合法に移植を望む人がいる。いや、それを望む親を責めることも出来まい。何を犠牲にしても自分の子供を助けたいと思ってしまうのは、親の性だ。そしてその親の気持ちに付け入る仲介者が日本にいて、さらにタイの裏社会、人身売買組織の人間、そして生きたままの子供を手術するタイの医者がいる。
では、どうすればいい?タイの子供達を地獄に突き落とすこの負のスパイラルを断ち切るにはどうしたらいい?
前に「ダーウィンの悪夢」を見たときと同じだ。解決方法はあるのか。自分の無力さを感じるだけだ。
でも、まず知るということはとても重要かもしれない。
さらに、ラストシーンには驚愕のエンディングも待っている。
テーマ自体、非常に評価したいし、テーマだけでなく映画としての出来も素晴らしい。出演者もみんなばっちりはまっている。ただ、覚悟して見ないとショックが大きい
私は当分あの、スクリーンからにじみ出てきたタイの熱気と、子供の悲しい瞳を忘れられそうにない
当初たった7館でしか上映が決まっていなかったそうだが、14日までに102館での上映が決まったそうだ。
すっかり長くなってしまってスミマセン。こんなに長く書いても伝わった気がしない・・・。自分の表現力のなさを感じます。