ダーウィンの悪夢

2008.5.31ダーウィンの悪夢

雨の土曜日。アポロ〜どこにも行けないね。火曜に海に連れてって良かった!ね?感謝してる〜?と無理矢理感謝させる私・・・。
今日は録画してあった映画でも見ようと、「ダーウィンの悪夢」を見ることに。
どんな映画なのか、実はあんまり良く知らんかった。「多分環境系?確か巨大な白身の魚のせいでビクトリア湖が自然破壊とかそんなの?で、日本人がそれ食ってるって言うドキュメンタリーだっけ?」ぐらいに思ってたのだ。
全然違った。昔誰かが放流したナイルパーチという巨大な魚が、ビクトリア湖の在来種を食ってしまった、というのはその通り。そして、それは憂うべき事だけど、タンザニアに大きな魚加工工場が出来、漁師はナイルパーチ捕って、また工場では人々が働いている、つまりナイルパーチが仕事をもたらしているのも事実。タンザニアの人々はもうナイルパーチ無しでは生きていけない
でも、タンザニアの人々はナイルパーチを食べられない。食べるのは加工した後の魚の残骸。しかもウジが湧いたようなゴミ同然のもの人々は貧困から抜け出せない。漁師の夫が死ぬと、妻は売春婦になる。エイズが蔓延し、子供達は親を失う
ストリートチルドレン達は、ドラッグの代わりに、樹脂の包材を加熱して吸い込む。
きれいに加工されたナイルパーチはヨーロッパに輸出される。ヨーロッパの国々は武器を運んできて(密輸らしい)、魚を運んでいく。ヨーロッパから運ばれた武器で、アフリカの人々が内乱で殺し合いをする。工場で守衛をするタンザニアの貧しい男性は、人々は戦争を望んでいるという。兵隊は給料が良いからだそうだ。
何もかも病んでいる。先進国は、貧困のどん底の国に、殺し合いの武器を送りつけ、貴重な食料を洗いざらい持ち去っていく日本でも食べられている白身魚のフライ。かつては「スズキ」と言われて売られていた。
「もう、フィレオフィッシュは食べないよ」という結論ではない。でも、何をどうしたらいいのか、私には解らない。これを見て、私たちにどうしろと作者が言ってるのか、私には解らない。見終わった後、重く、やるせない気持ちになった。
ナイルパーチの残骸を大切そうに集める人々が忘れられない。