本に夢中週間

2008.1.23ゴールデンスランガー

先週末ぐらいから本にどっぷり浸っている。
たまたま外出の用事が無くて、読みたいだけ読めるという良い条件だったからなんだけど。読みはじめて夢中になって途中でやめなくて良いこの幸せよ・・・。王様ありがとう。VIVA暇な専業主婦。
先週水曜に読んで高評価だった角田光代の他の作品を早速読んでみた。直木賞受賞作の「対岸の彼女」、その後お友達に借りた「キッドナップツアー」。どちらもなかなか。「八日目の蝉」と合わせてどれが一番かと言われると「八日目の蝉」なんだけど、でも、他の2作も決して期待を裏切るようなものではなく、充分満足のいくものでした。ううむ、角田光代、こんな良い作家がいたなんて。どうして今まで読んでなかったんだか。こういう作家に気付いた時って「何か今まで損してた!」っていう気持ちと「隠してあった美味しいお菓子を発見した!ラッキー!これから美味しいものが食べられる♪」みたいなワクワク感と両方。今後も楽しみな作家です。
それから、「ベーコン」井上 荒野。これは新聞の書評で面白そうと思って読んでみた。これもなかなか。全部食べ物が登場する短編集。どれもちょっとほろりとして、ちょっとさびしくて、ぐっと美味しそうな物語たち。井上 荒野ははじめてだったので、もう少し読んでみてもいいかな。
それから今日読み終えたのが「ゴールデンスランバー」伊坂 幸太郎 。この人のはハズレがないなぁ。特に今回のは秀逸。読み始めたらもう、どうにも止らない状態。平凡な青年が突然首相殺害の容疑者に仕立て上げられという物語。主人公の逃亡劇と学生時代の思い出とが交錯するのだけど、この学生時代のシーンがまた良い。シーンも良いし、挿入の仕方も上手い。あちこちに張り巡らされた伏線もちゃんと効いていて、「おお!こんなところにこの人が来たか!」みたいなのが面白い。それから、物語は仙台を舞台にしているのだけど、ストーリーの中で仙台市は町中に「セキュリティ・ポッド」なる監視システムが導入されていて、市民は常に監視されている。数年前の無差別殺人鬼をきっかけに導入が決まったらしいのだけど、「市民の安全のため」というお題目の元にいつの間にか自由が奪われているのがじんわり恐ろしい。
去年私的には大当たりだった有川浩の「図書館シリーズ」もそうなんだけど、ストーリーに合わせて、もう一つの、作者が「イイタイコト」がすごく重く、恐ろしい。私たちの後ろにもすぐ迫っているような恐怖を感じる。
今年は年初から当たりの本が多い。何かさい先いいなぁ。
ちなみに「ゴールデンスランバー」っていうのはビートルズの最後のアルバム「アビイ・ロード」に入っている曲だそうです。物語のあちこちに登場するので、曲がわからないのがちょっと歯がゆい。ので、すぐ図書館にリクエストしてみました。