当たりの本、ハズレの本

2007.9.24当たりの本・ハズレの本

アポロの手術前、手術直後は悪性だと思いこんでいたので、正直本を読む気力は無かった。読書って、案外心が元気じゃないとダメなのだ。本を開いて、ストーリーにのめり込んで行くのって結構エネルギーがいる。
だもんで、そのころは「アリー・my love」だった訳。悪性じゃなかった事がわかり、かといってなるべく家にはいてあげたかったもんで、読書の日々。今日読み上げたのは宮部みゆきの「楽園」これは、「模倣犯」の続編とは言わないが、模倣犯に登場したライターが主人公の小説。なかなかの読み応え。やめられない止らないで、かなりのスピードで読んでしまった。「模倣犯」には届かないけど、なかなかの力作。流石宮部みゆき。と言ったモノの、実はあんなにインパクトのあった「模倣犯」なのに、薄ぼんやりしか覚えていない。「凄かった」という印象は残ってるんだけど。まぁ、6年も前に読んだ本なんてそんなもんかなぁ。ちょっと情けない気分。けどまぁ、もう一回楽しめるというメリットもあるので忘れるというのもいいか?

んで、今日のタイトルの当たりの本、ハズレの本だけども「当たり」の方は、「13階段」高野和明著。第47回江戸川乱歩賞受賞作。満場一致だったそうだ。江戸川乱歩賞ってことはこれがデビュー作。かなりの実力、文章力。読ませる。ミステリーとしても好きだけど、心理描写がすごく良い。この間、この人の「6時間後に君は死ぬ」を読んだけど、圧倒的にデビュー作の方がいいなぁ。にしても、こんな話題作今まで読まなかったのは不覚。他の作品も読んでみることにしよう。早速図書館に予約!
ハズレ」の方は「5」佐藤正午。「7年ぶりの新作長編、著者会心の最高傑作」というオビのコピーに期待したのだけど、イマイチ。佐藤正午7年前「ジャンプ」という作品で本の雑誌1位になっている。これは確かに傑作だったと思う。私はその時「こんな作家がいたんだ!」と感動して、佐藤正午作品を読みあさった。何冊も何冊も。けど、「ジャンプ」以外は正直面白くなかった。がっかり。で、最高傑作というもんだから今度こそ!と期待したのだけど・・・。ちまたの評価は結構良いらしいしアマゾンの星の数も「ジャンプ」より多かったので好みの問題かもしれないけど。そう、多分私の場合主人公が嫌いなタイプの思考回路だとダメなんだ。佐藤正午の描く男の(女もかも)考え方とか生き方がキライ
おっと、佐藤正午ファンの人が読んだら怒られそうだね。でもまぁ、本の好みは人それぞれって事で。お許しくだされ。