原爆の日・HIROSHIMA

2007.8.6ふたりのイーダ

8月6日は62回目の原爆の日
1945年の8月6日の朝8時15分、広島の街は一瞬にして死の街になった。亡くなった方は約14万人。その後後遺症で亡くなった方も合わせると25万人以上の人の命を奪った。

いっぺんに25万人の命を奪うことが、「戦争を終わらせるためにしょうがない」ことなのだろうか?そんな台詞はその25万人のなかに自分の血縁者も友達もいないから言えるんじゃないか?と、まぁすでに辞めてしまった大臣に文句を言っても仕方ないけどね。
去年の終戦記念日に3冊の本をお薦めした。http://d.hatena.ne.jp/sumi0627/20060815今年は別の本をご紹介
松谷みよ子の「ふたりのイーダ」。30年以上前に書かれたものだけど、児童文学史上に残る傑作。実は私は大学で児童文学を選考していて、卒論は「戦争児童文学」だったのだ。私が卒論で取り上げたのは、同じシリーズの「屋根裏部屋の秘密」だけど、やはり一番有名なのは原爆がテーマになっているこの「ふたりのイーダ」だと思う。平和の大切さはどんなに大きな声で訴えても、物語として完成度が低く、面白くなければ何も伝わらない。返って説教臭く感じられるだけだろう。松谷みよ子の「直樹とゆう子のシリーズ」はそういう意味で素晴らしいと思う。戦争の悲惨さむごさを声高に訴えるのではなく、現在の子供達の目線(といっても書かれたのは30年以上前だけどね)に引き寄せ、ファンタジーとしても完成されている。児童文学とはいえ、大人が読んでも充分面白く、リーダビリティの高い作品。是非シリーズでお読みください!
ついでにもうひとつご紹介。CD、「THE TIMERS」(1989年)に入ってる曲「LONG TIME AGO」。タイマーズは私の大好きな忌野清志郎率いる一応覆面ロックバンド。シングル「デイ・ドリーム・ビリーバー」はCMにも使われヒットしたから知ってる人も多いのでは?このアルバムはどの曲もメッセージ性が強く激しいのだけど、「LONG TIME AGO」は原爆&原子力がテーマ。歌詞がかなり強烈!「ふたりのイーダ」同様、メッセージ性が強いものは普通以上に音楽としての完成度が欲しいところ。その点、やっぱり清志郎はスゴイ。