読書モード全開!

2007.3.25読書モード

ひどい天気だった日曜日。
映画は昨日見たし、ってことで読書デーにすることにした。
家からほとんど出かけず、ベッドでずーっと読書。なんと2冊読み終えてしまった
一冊は「天使のナイフ」の薬丸岳の「闇の底」。犯罪被害者の心情を書きつづっている点は全作と同様。彼の変わらぬテーマなのか?読む者の心に響く心情描写はなかなか。衝撃のラストもどんでん返し好きにはたまらない。「天使のナイフ」の結末も印象的だったけど、今回もやられた!ってかんじだ。
調子に乗って読み始めた2冊目、方波見大志「削除ボーイズ0326」。第1回ポプラ社小説大賞の受賞作新人作家だ。過去の3分26秒を削除できる装置を入手した主人公の少年。ある事故をきっかけに歩けなくなった友人、引きこもりになった兄を救えるのか?事故の真相は?飽きさせないテンポで、文章も軽快。ただ、過去を削除するっていうシチュエーションはそんなに新しいかな?本の帯には「時間ものの奥の手」なんて書いてあるけど、あんまり新しさは感じなかった。「削除」「Delete」のイメージがパソコン時代の作品だなーと思わせるだけで、過去をかえるということ自体は、SF小説でずっと前から使われてきた手法だよなぁ。ま、今後が期待できる新人という感じか。と辛口批評をしてるくせに、自分の過去で3分26秒削除できるならどこにするか、つい考えている私なのだった。でも、「これが無ければあのつらい3年は無かった」とか思っても、それを削除しちゃうと、今の私はないなぁ。ってことは、王様とも結婚しないしアポロもいない。じゃぁダメだなー3分ぽっち削除しても、亡くなった父は生き返らないしなぁ。病死の人間はダメだなぁ。とか、案外無いのだ。削除して人生を変えたいような3分26秒はありますか?