お知らせ 8月18日〜23日まで「千葉市花の美術館」の2階で私が参加している、公民館のサークルの写真の展示があります。「ひまわり写真倶楽部」というサークルです。私も2つ作品を出しています。ついでの折にはお寄りくださいませ。でもね、この時期、プール利用者で駐車場がめっちゃ混んでるの。搬入に行くとき12時半ぐらいだったんだけど、駐車場待ちの列にびっくりでした。朝とか夕方なら空いてるのかなぁ?そんなので「是非見に来て!」とはいえない感じデス。

2009.8.14鷺と雪


北村薫の「鷺と雪」、読みました。この間の141回直木賞受賞作です。北村薫は好きな作家の1人。好きな作家が直木賞を受賞し、認められることは嬉しいです。
でも、どうしてこの作品なんだろう?という気もします。いえ、もちろん北村薫なので、ちゃんと面白いんですが、これが彼のベストか?といわれるとうーん?と言う感じ。私は「スキップ」「ターン」「リセット」の3部作が一番好きだし、王様は「空飛ぶ馬」「夜の蝉」などの「円紫さんシリーズ」がお好みだそう。もっとも、今回の「鷺と雪」で6度目のノミネートだし、もういい加減ベテラン作家だし、これで取らせないわけにはいかなかったんだろうなという感じ。だったらもっと早く取らせればいいのに。

この「鷺と雪」は花村英子とそのおかかえ運転手・ベッキーのシリーズで、第二次大戦前の日本を舞台にしています。謎はいわゆる「日常の謎」で、殺人やら誘拐やらが起こらない、穏やかなミステリーです。その穏やかなミステリーと、戦争に向かって行く日本の時代描写とがうまく絡み合って、何か心に重いものが広がっていきます。これでこのシリーズ完結らしいんですが、ラストは「ええーっ?このエンディングで続編が無いの?」という感じです。北村薫が描く「その先の時代」も見たい気がしますが。

ちなみに、北村薫デビュー当時、覆面作家だったそうで、名前も男女どちらにもある名前で、デビュー作の「空飛ぶ馬」の主人公が女子大生だったことから、女子大生なのでは?と言われていたそうです。1949年生まれの、顔が赤塚不二夫似のおっさんです(笑)。