天国までの百マイル

2006.9.21天国までの百マイル

今日は船橋で演劇鑑賞会。姉夫婦と加入している会だけど、今回は1人で見に行った。
演目は劇団文化座の「天国までの百マイル」。原作は浅田次郎だ。
心臓が悪く東京の病院で手術不可能といわれた母親を、手術の技術がある千葉(多分鴨川)の病院まで百マイル車で運ぶ話である。
主人公は4人兄弟の末っ子。バブルの頃は会社を興し派手な暮らしをしていたが、今では会社もつぶし、離婚もし、兄弟にも迷惑がられている落ちぶれた状況だ。しかし、母親の体を本当に心配し、千葉まで運ぶのはこの末っ子だった。あとの子供達は、金は出すが手は出さない。時間は割けない。そんな人ばかり。もっとも、主人公も成功して華やかだったときには同じだった。本当のやさしさとは愛とは何かを問いかける作品だった。
原作は読んでいないのだけど、やはり浅田次郎はいいなぁと思う。わかりやすく、きちんと感動させてくれる。脚本や演出や役者もいいのだろう。場面の移り変わりにも工夫が凝らしてあり、変な途切れ方がない。全体のテンポもいい。主人公の愛人役の佐々木愛がこれまた凄くいい味を出している。
演劇って何となく敷居が高い感じがするかもしれないけど、値段も案外安いし、役者の動きが生で見られて、面白い。映画と違って、客席の受け方とかを役者がちゃんと感じ取って演技をしているから、何ともいえない一体感があるのだ。
実は私の母も心臓がよくない。よーし、いざとなったら私がエアウェイブの後ろの座席フラットにして鴨川まで運ぶぞ!と思った。だって、千葉市からなら百マイルもないし、(半分ぐらい?)首都高に乗らないでいいしね。逆に、東京の病院だったらお手上げです・・・。トホホ。