「一分間だけ」一気読み

2009.6.22一分間だけ

お友達のsachiさんが、本屋で見かけてジャケ買い(?)した本を午前中に貸してくれました。
家まで持ってきてくれたsachiさんは「これから出かけるんだけど、本読んで泣いちゃって大変〜」とちょっと目をうるうるさせてました。特になんにも予定の無かった私。午後一気読みさせていただきました。
原田マハの「一分間だけ」。原田マハ原田宗典の実の妹なんですよ〜。って知ってる?原田宗典この人のエッセイは超面白くて、通勤時電車の中で読むと噴出してしまうので要注意な本でした。最近読んでないな。
んで、本題の「一分間だけ」ですが、いやー、泣かせてもらいました。既に表紙と、帯のコピーでうるうるです。
主人公は女性ファッション誌の編集を仕事にしてる若い女。フリーのコピーライターの彼と同棲してます。仕事をバリバリ頑張る彼女は、ペットショップの取材がきっかけでゴールデンレトリバーの「リラ」を飼い始めます。もうねー、出会いのところからちょっとうるってしまった私。
その後、彼女は彼と別れることになり、1人で「リラ」を引き取ります。でもねー、彼女の仕事って帰りが終電になったりするくらい忙しいのよ。無理でしょ、無理。忙しさにいっぱいいっぱいになった彼女は一瞬「リラがいなくなってくれれば」とまで思ってしまうのね。こらーっ!駄目でしょ。6歳になってたリラは、そして本当に癌にかかってしまうの。もうもう、このあたりは私、顔ぐちょぐちょになって読んでました。
飼い犬の病気と死を経験して、主人公の女性は身近な人の本当のやさしさや、人生において大切なものは何なのかに気付き、成長して行くの。そう、成長するのではじめは未熟なのよ。だけどー!夜中の1時に帰ってきて、トイレを我慢できなかったリラちゃんに手を上げるのは駄目だろう!!と憤ったり。でも、ま、最初から良く出来た飼い主だったら小説にならないもんね。物語の演出上しょうがないんだよね。
とにかく、一杯泣きました。リラちゃんの息遣いや、毛の手触り、散歩の時振り返るしぐさまで全部全部わかってしまって、わかりすぎて泣けます。癌の治療のくだりも良くわかります。
また、ペット業界の暗部にも少々触れているのでその辺も好感が持てます

小説としての完成度とかレベルとかいうと、さほどではないんだろうけど、とにかくワン飼いは泣けます。でも、高齢のワン飼いにはちょっときついかなー。きついのでお勧めとも言えないかんじ。私は良かったけど。お兄さんのエッセイとは逆の意味で電車の中で読んではいけません。